大腸カメラとは
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)は、直腸や結腸などの内腔をリアルタイムで調べることができる検査機器です。胃カメラと同じように細長いチューブの先端に小型CCDカメラや鉗子、照明などが搭載されています。これを肛門から挿入していき、大腸の炎症や潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を調べます。単に観察するだけでなく、病変が疑われる組織の一部を採取し、顕微鏡による詳細な検査に役立てることもあります。また大腸ポリープを発見した場合は、鉗子やスネアを用いて切除することもできます。
大腸カメラによる検査が勧められる方
- 便潜血検査で陽性となった
- 血便が出ている
- 便秘や下痢が続いている
- 腹痛が繰り返される
- 貧血を指摘されている
- 顔色が悪い
- 急激な体重の減少があった など
診断できる病気
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 炎症性腸疾患
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸憩室症
- 虚血性腸炎 など
検査の流れ
- 検査前日の注意点
- 検査前日の食事は午後8時までに済ませてください
- 原則として食事内容に制限はありません(制限が必要なときは事前にご説明いたします)
- 午後8時以降の食事は慎んでください(水やお茶の摂取は問題ありません)
- 下剤の服用
- 大腸をきれいにするため、約2リットルの下剤を数回に分けて飲みます
- 前日から下剤を飲むこともあります
- 必要に応じて鎮静剤を投与
- ご希望の方には鎮痛剤を静脈注射します
- これは外科手術に一般的に用いられる麻酔のように強力なものではなく、医師などからの呼びかけに反応することもできます
- 内視鏡を挿入
- 身体の左側を下にしてベッドに横になります
- その態勢で肛門から内視鏡を挿入していきます
- 大腸内部を観察
- 内視鏡カメラの映像はモニターに映し出されます
- この映像を見ながら大腸の内部を隅々まで観察します
- 必要がある場合は、生検を行います
- 検査の終了
- 通常は数十分で検査は終了します
- 症例によって時間が延びることもあります
- 通常、飲食は1時間後から可能です
- 検査当日のお風呂はシャワー程度にしてください
- 車の運転は禁止です
- 強度の運動は避けてください
- 検査終了後、気になる症状がある方は、すぐに医師までご相談ください
ポリープ切除術
医師が必要と判断したときは、大腸ポリープを切除する手術を行います。当院では、内視鏡下で大腸ポリープを切除する日帰り手術に対応しています。なお、ポリープのサイズや形状、部位などを見極め、当日の切除が望ましくないと判断したときは、当院と提携する専門病院をご紹介いたします。詳細については、患者さんに直接ご説明させていただきます。
ポリープを切除したときは
ポリープを切除した後は、食事や運動、入浴、飲酒などが制限されることがあります。食事については、概ね通常通りですが、切除当日と翌日は胃腸に負担がかからないよう消化の良いものにしましょう。さらに、腹圧のかかる仕事や激しい運動も1週間程度は控えます。なお、腹痛、吐き気、発熱、肛門からの出血などがみられたときは、至急、医療機関までご連絡ください。